尿酸値が高いと糖尿病の危険性も、その因果関係を説明

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【医師監修】
糖尿病

幸手クリニック 院長
山崎昌洋先生に監修していただきました。
  • 尿酸値の高さと糖尿病の関係
  • 糖尿病と高尿酸血症の症状
  • 糖尿病と高尿酸血症の予防法

高尿酸血症と糖尿病は合併しやすい

高尿酸血症と糖尿病になりやすい体質(遺伝子)は別々なのですが、運動不足、肥満、加齢、ストレス等の環境因子は共通することが多く、合併しやすいのです。
また、尿酸値と血糖値には微妙な関係があります。
インスリンの効きが悪くなると、血糖を下げるためにインスリンが大量に分泌されます。このような状況をインスリン抵抗性と言い、糖尿病の前段階と考えられます。インスリンには腎尿細管での尿酸の再吸収を促進する作用があるため、高インスリン血症では尿酸値が高くなります。
しかし、血糖値が抑えきれなくなって糖尿病を発症すると、高血糖による利尿作用、尿細管機能の低下、一時的な糸球体濾過量(腎機能)の亢進のため、かえって尿酸の排せつが増え、尿酸値は一時的に下がります。
さらに糖尿病が悪化して、糖尿病性腎症が進行すると、今度は糸球体濾過量が減ることで、尿酸の排せつもうまくいかなくなって、尿酸値は上がっていきます。
腎障害は糖尿病の三大合併症の一つですが、これも長い時間をかけて進行するものです。
糸球体濾過量は糖尿病性腎症の初期には増加しますが、病期が進行すると低下していきます。
糖尿病性腎症では特に尿蛋白が重要で、実は尿蛋白が出ている時点ですでに腎障害はかなり進んでいます。
軽く見られがちですが、健診で尿蛋白を注意されたら、絶対に放置しないてください。

糖尿病と高尿酸血症の症状は?

高尿酸血症が続くと、痛風の発作が起こるという話は有名です。
前述のとおり、糖尿病の発症とともに、一時的に血清尿酸値が下がります。
しかし、糖尿病発症までに高尿酸血症が続いた患者では、体内の尿酸蓄積量が増大し、痛風発作を起こす可能性がありますので、注意が必要です。
糖尿病も糖尿病性腎症も初期には自覚症状がほとんどなく、しかも自覚症状が出た時には不可逆的に病期が進行していることが多いのがやっかいです。
糖尿病のご家族がいたり、健診で血糖が高めと言われている方は早期に生活習慣の改善などの対策をすることがとても重要です。

糖尿病と高尿酸血症の予防法

高尿酸血症と糖尿病のどちらも共通する合併症のリスクがあり、中には致命的なものもあるため、できるだけ早めに予防・改善する生活習慣・食習慣への切り替えをオススメします。
具体的な生活指導として、食事療法、飲酒制限、有酸素運動、喫煙をしている方は禁煙も推奨されます。
糖尿病の食事療法については、その方の病態によって異なるので、簡単にまとめることは難しいのですが、基本的には摂取カロリーを抑えて、その範囲内でタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよくとることが大切になります。このような食事は尿酸値にもよいので、高尿酸血症を合併している人はより理想的な食生活となるように意識してください。
もちろん飲酒に関しても適切なアルコール量(人によりますが、1日1合以内程度)を保つことが大切です。

糖尿病の主な自覚症状として、喉の渇きや多尿があります。
血液中のブドウ糖の濃度が高くなると、腎臓でブドウ糖を大量の水分と一緒に尿として排泄してしまいます。
多尿により必要以上の水分が排泄されると、脱水状態となり、喉が乾いて大量に水を飲みたくなります。
この際に糖分を含む飲料を摂ってしまうと大変危険です。
ペットボトル症候群などと、あまり怖くなさそうな名前で呼ばれますが、高血糖と脱水の悪循環により、急激に危険なレベルの血糖上昇が起こり、意識を失って命の危険もある病態です。

幸手クリニック 院長
山崎昌洋先生にここまで監修していただきました。
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