
尿酸値が上がるとおこる
痛~い病気
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尿酸値の解説と、尿酸値が上がるNG習慣について
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尿酸値が上がると発症リスクが高まる痛風や尿路結石などの病状について
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痛風や尿路結石では済まない、命にも関係する高尿酸血症の合併症とは
命にもかかわる!
尿酸値は今すぐ改善すべき理由
そもそも尿酸値とは、誰の血液の中にも含まれる老廃物なのですが、1dl中の血液中に7mg以上の尿酸があると、高尿酸血症と診断されるようになります。7mgを数値が越えると痛風や尿路結石、さらには命にかかわる合併症のリスクが高まるため、今すぐ対策を開始する必要があります。
尿酸値を一時的に下げるだけでは駄目
尿酸値を一時的に7mg以下に下げても、痛風や尿路結石、その他の合併症のリスクがすぐに解消するわけではありません。尿酸は針状の結晶の形をしており、痛風の激しい痛みを引き起こす原因となっています。結晶は体の関節などにしっかりと沈着しています。結晶を完全に体の外に排出するためには、2年近くの時間が必要と言われています。一時的に尿酸値を下げても痛風のリスクは下がりませんので、正常な尿酸値をキープするために、ストイックに対策を2年以上継続する必要があります。
尿酸値を下げるストイックな生活例
例えば、肉や魚、内臓などの高プリン食を控え、尿酸を作るアルコールも制限し、食事は野菜、キノコ類、海藻を積極的に口にする必要があります。有酸素運動を普段から心掛け、1日2リットルの排尿を確保するために、積極的な水分補給も必要になります。かなりストイックな生活を、家族などの協力を得て、2年間継続する必要があります。
そもそも尿酸とは?
尿酸がカラダに与える影響
尿酸とはそもそも、細胞の新陳代謝で生まれる老廃物になります。古くなった細胞の中に含まれる細胞核、その細胞核の中に含まれる核酸が、新陳代謝の中で分解されると、プリン体を生みます。そのプリン体が肝臓で分解されると、尿酸になります。尿酸は血液によって腎臓に運び込まれ、腎臓でろ過されて、体外に尿として排せつされていきます。
尿酸値が上がる原因はコレ
尿酸は古い細胞が新陳代謝で分解される過程で、生まれる老廃物だと紹介しました。その意味で何もしなくても尿酸は体の中で作られているのですが、一方で食べ物から尿酸の元となるプリン体を摂取すると、体内にプリン体が増え、尿酸が増える形になります。飲食物から体内に入ってくるプリン体の影響は、通常であれば限定的ですが、高プリン食の摂取や飲酒が限度を超えると、食事からの悪影響が大きくなってしまいます。
尿酸値をさげるための運動とは
肥満や過体重は、尿酸値を悪化させます。そのため日常的な運動習慣が重要になってきますが、ウエイトトレーニングなど無酸素呼吸はかえって尿酸値を高めると知られています。逆にジョギング、スイミング、ウォーキング、自転車などの有酸素運動を続けたいです。
尿酸値が上がる季節は?
上げないために気をつけることは?
尿酸値が最も上がりやすい季節は、発汗によって慢性的に水分不足が続きがちな夏だと言われています。しかし春にも秋にも冬にも、尿酸値を上げる要因があり、注意が必要になります。関連ページでは、各季節で尿酸値を上げる要因をまとめました。
【医師監修】
尿酸値が高いとなってしまう痛い!病気
1dlの血中に7mg以上の尿酸が存在する高尿酸血症になったとしても、それ自体では痛くもかゆくもありません。しかし、尿酸値が8mg、9mgなどと悪化しても何も対策をせず、さらに放置をしてしまうと、尿酸の結晶が足の指の関節などに蓄積し、ある日突然、痛風、尿路結石などの身もだえするような激しい痛みが起こります。
【医師監修】高尿酸血症
高尿酸血症とは、血液中の尿酸濃度が慢性的に高くなった病気です。誰の血液にも細胞の新陳代謝で生まれる老廃物の尿酸が含まれているのですが、尿酸値が血液1dl中に7mg以上と高い状態が慢性的に続くと、高尿酸血症になります。高尿酸血症は、さまざまな合併症が指摘されています。
【医師監修】高尿酸血症の治療は食事療法が基本
高尿酸血症の治療では、尿酸値を悪化させる高プリン食、プリン体の多いアルコール、アルコール濃度が高い飲み物の制限が基本になります。プリン体の少ない食べ物を口にして、逆に尿酸値を下げる食べ物(野菜、海藻類、キノコ類)をバランス良く食べ、普段から水分補給を多めに心掛ける必要があります。
【医師監修】痛風
細胞の新陳代謝の際に生まれる老廃物の尿酸は、針状の結晶の形をしています。尿酸値が高い状態が続くと、関節、足先、耳たぶなどに結晶が沈着し、その沈着が一定の量を越えると、突然、キリで刺すような痛みが関節などに発生します。その痛みはあらゆる関節痛の中で最悪と言われています。風が吹くだけで痛いとと言われるくらいの苦しみに身もだえ、身動きが取れなくなる患者も少なくありません。
痛風だけじゃない、
あぶない!痛い!合併症
慢性的に高い尿酸値を放置すると、痛風や尿路結石よりも深刻な合併症を引き起こす恐れがあります。そのメカニズムは複雑ですが、国内外の研究で次々とリスクが指摘されています。今すぐ尿酸値の悪化を食い止めるという強い決意が求められます。
【医師監修】慢性腎臓病
長期にわたって尿酸値が高い人は、慢性腎臓病の合併症が心配となってきます。尿酸の排せつのためにフル稼働を強いられた腎臓が少しずつ機能低下を起こして、慢性腎臓病になるリスクが高くなります。
重たい腎臓病になると、体内の老廃物を排せつできなくなる、深刻な状態に陥ります。
【医師監修】糖尿病
糖尿病の悪化に伴い、尿酸値は一時的に下がる場面もあります。そこで油断は禁物で、糖尿病が悪化し、腎臓の糸球体(ろ過装置)が硬くなり、ろ過機能そのものが低下すると、今度は糖だけでなく尿酸の排せつ自体がうまくいかなくなり、尿酸値は上がっていきます。
【医師監修】高血圧
高尿酸血症は、高血圧のリスクとなると指摘されています。逆に高尿酸血症を改善すると、血圧が低下する可能性まで指摘されています。両者の関係は複雑ですが、高血圧はさまざまな病気の引き金になります。高尿酸血症の合併症として高血圧にも注意したいです。
【医師監修】狭心症
狭心症とは心筋に血液が不足した結果、胸に痛みや圧迫感が生じる病気を言います。心筋に血液の流入が不足する原因の1つとして動脈硬化が知られており、高尿酸血症は動脈硬化の要因になります。直接的な因果関係はありませんが、高尿酸血症→動脈硬化→狭心症という関係で、合併症のリスクが高まります。
【医師監修】心筋梗塞
動脈硬化で狭心症が起こるように、動脈硬化で心筋梗塞(こうそく)のリスクは高まります。心筋梗塞とは、心臓の冠動脈(独立した太い血管)の通り道が狭くなり、心臓への血流がストップして、心臓の一部の細胞が死んでしまう病気です。高尿酸血症→動脈硬化→心筋梗塞という流れに注意したいです。
【医師監修】脳卒中
脳卒中は脳の血管が破れたり、詰まったりして起こる病気です。高尿酸血症を放置すると、動脈硬化が進み、脳の血管が詰まったり、破れたりするリスクが高まります。動脈硬化は心臓だけでなく、脳の血管にもダメージを与えますので、注意が必要になります。