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尿酸値が高いと起こる合併症

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尿酸値の悪化は
心臓や脳にも悪影響
与える!?

  • 尿酸値が高くなる生活習慣と、尿酸値を高いまま放置していると心配な合併症について
  • 尿酸値が高い状態を放置すると心配になる合併症の病名
  • 尿酸値を下げるために今すぐ始めたい対策とは?

尿酸値の慢性的な悪化は
狭心症や脳卒中のリスクも高める

尿酸値が慢性的に高い状態が続くと、痛風や尿路結石のリスクが高まると一般的に知られています。しかし痛風や尿路結石だけでなく、より深刻な合併症を引き起こすリスクも高まります。命にかかわるケースも存在しますので、注意が必要です。 以下には尿酸値が慢性的に高い状態を放置すると、リスクが高まる合併症をまとめました。今すぐ尿酸値の悪化を食い止めるという強い決意が求められます。

慢性腎臓病

尿酸値が高い状態が続くと、腎臓にフル稼働を強いる期間も長くなります。過酷な環境で余力を失った腎臓の働きが少しずつ低下すると、そのうち慢性腎臓病になるリスクが高いと言われています。
腎臓には余力がありますが、正常の働きから見て1/5まで機能が低下すると、(特に夜間に)尿量が増える、目の周りや足がむくむ、疲れやすくなる、息切れがする、皮膚にかゆみが出る、アンモニアの口臭がするなどの危険信号が出始めます。

メタボリック・シンドローム

高尿酸血症は、メタボリック・シンドロームと高い確率で合併すると言われています。その原因はさまざまな仮説が立てられていますが、その1つとして高インスリン血症の関与が考えられています。高尿酸血症と、メタボリック・シンドロームの詳しい関係性については関連ページにまとめましたが、「メタボ」は高尿酸血症の人が注意したい合併症の1つと言えます。

糖尿病

糖尿病と尿酸値は、複雑に関係し合っています。高インスリン血症が続き、糖尿病を発症してしまうと、尿酸を人体に再吸収する腎臓の一部(近位尿細管)の機能が低下して、かえって尿による尿酸の排せつが増え、尿酸値は一時的に下がります。しかし、糖尿病が悪化して、毛細・細小血管が集まった腎臓の糸球体(ろ過装置)が硬くなり、ろ過機能そのものが低下すると、今度は糖だけでなく尿酸の排せつ自体がうまくいかなくなって、尿酸値は上がっていきます。以上のように糖尿病と尿酸値には密接な関係が知られています。

高血圧

尿酸値が慢性的に高い状態(高尿酸血症)が続くと、尿酸値の上昇が高血圧リスクになると指摘されています。逆に尿酸値を低下させる療法を行うと、血圧が低下する可能性まで指摘されているほど。その複雑な両者の関係は関連ページにまとめましたが、高血圧も高尿酸血症の合併症として注意したいです。

心疾患

動脈硬化が促進されます。動脈硬化が起こると、狭心症が起きるリスクが高まると述べましたが、心臓の冠動脈(独立した太い血管)の通り道が狭くなり、血の流れが滞るどころかストップすると、心臓の一部の細胞が死んで、心筋梗塞(こうそく)を招きます。

脳卒中

脳卒中は「脳血管発作」とも呼ばれ、血管が破れたり、詰まったりして起こる病気になります。高尿酸血症を放置すると動脈硬化が進み、脳の血管が詰まったり、破れたりするリスクが高まります。脳卒中と高尿酸血症の関係については、関連ページに詳しくまとめました。

手遅れになる前に!
今すぐ始められる対策をスタートする

痛風、尿路結石の場合、壮絶な痛みに耐えれば、なんとかなるかもしれません。しかし例えば高尿酸血症の放置で動脈硬化が進み、心臓の冠動脈や脳の血管が詰まれば、命に関係する大病に罹患(りかん)するリスクが高まりますし、後遺症が残る恐れも出てきます。 何気ない普段の習慣で発症する高尿酸血症は命にかかわる問題でもあります。惰性で放置していると極めて危険ですので、例えば水分補給を心掛け1日2リットルの排尿を促す、尿酸をより多く尿に溶かし込んでくれる飲み物に水分補給源を切り替えるといった、今すぐ始められる対策からでも構いませんので、何か行動を起こしたいです。

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