
【医師監修】
脳卒中

- 幸手クリニック 院長
- 山崎昌洋先生に監修していただきました。
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高尿酸血症と脳卒中の因果関係
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脳卒中の症状
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生活習慣を見直して尿酸値を下げることから始めましょう
尿酸値が脳卒中の原因の一つとなる
高い尿酸値と脳卒中の因果関係
脳卒中は「卒然として邪風に中(当)たる」という意味で、脳出血または脳の循環障害により、突然に倒れ、運動障害や言語障害を伴う疾患とされています。主に脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害が含まれます。実際には「倒れない」脳血管障害も脳卒中として扱われているようです。
脳卒中の危険因子は高血圧、喫煙、糖尿病、高コレステロール、肥満、頚動脈硬化などの動脈硬化、心房細動、慢性腎臓病(CKD)、多量飲酒、加齢、家族歴などが挙げられます。
高尿酸血症は脳卒中の危険因子ではありませんが、ごく最近の報告によると、高尿酸血症と脳梗塞発症後の死亡率やどの程度の麻痺が残るかなどと関係しているようです1)2)3)。
高尿酸血症は生活習慣と関連しており、その結果に命に関わる病気、もしくは重篤な後遺症につながりますので、症状がでないと油断せずに注意を払う必要があります。
1)Cabrera Naranjo FH Hyperuricaemia as a prognostic factor for acute ischaemic stroke.Neurologia. 2018 Mar 8
2)Arevalo-Lorido JC Serum uric acid levels and outcome during admission in acute ischaemic stroke, depending on renal function.Int J Neurosci. 2018 Feb 26
3)Mapoure YN The Prognostic Value of Serum Uric Acid in the Acute Phase of Ischemic Stroke in Black Africans.J Stroke Cerebrovasc Dis. 2018 Mar;27
- (1)Face
- 顔の歪み、口の片方からヨダレが垂れる
- (2)Arm
- 片方の腕が上がらない、書字やスマホの操作などいつもはできる動作ができなくなる
- (3)Speech
- ろれつが回らない、思うように喋れない
- (4)Time
- 上記のような症状があったら、一刻も早く救急要請をしましょう!
https://www.youtube.com/watch?v=N7tvkHTa8_4
こんな歌もあるんです。外国でも“FAST”の歌がありますので、外国のものと比べてみると日本の歌の特徴が出ていることがわかります。
ともかく、早く受診することが大切です。
脳出血でも脳梗塞と同様に麻痺やろれつの回りづらさなどの症状が出ますが、頭痛や嘔吐などの症状を伴いやすく、くも膜下出血では麻痺などの症状は少なく、突然の激しい頭痛が特徴的です。
普段よりも血圧が高くなっていることが多いことも脳卒中の共通の特徴です。
いずれにせよ、こんな症状があったら、すぐに病院に行ってCTやMRIの緊急検査が必要です。
躊躇なく病院を受診しましょう。救急車を利用することも考えてください。
脳卒中を予防するためには
脳卒中の危険因子の中で、生活習慣から改善できるものとして、高血圧、喫煙、糖尿病、高コレステロール、肥満、多量飲酒などが挙げられます。
これは高尿酸血症の危険因子とも重なっていますし、高尿酸血症が動脈硬化と関与していることも確かですから、生活習慣の改善を図りましょう。
水分を1日2リットル以上摂るようにすることも効果的かもしれません。
ただし、今までの乱れた生活習慣を一気に変えようとしても続かないものです。
まずは水分補給や甘いものを控える、有酸素運動の習慣化など自分ができることからはじめましょう。

- 幸手クリニック 院長
- 山崎昌洋先生にここまで監修していただきました。