ラクトアルブミンは
尿酸を尿に多く溶かし込む成分
- ラクトアルブミンの働きと、尿酸値を下げる仕組みについて
- ラクトアルブミンが多く含まれた飲み物とは?
- 尿酸値を下げる理想的な飲み物の条件とは?
乳製品のタンパク質の一種ラクトアルブミンは尿酸値の改善をサポートする
ラクトアルブミンは乳製品のタンパク質を作る主要な成分
ガゼインの働きを他のページで紹介しましたが、ガゼインと同じくラクトアルブミンも乳製品のタンパク質の一種で、尿酸を尿に多く溶かし込む働きを持っています。
乳製品のタンパク質の約8割はガゼインで、2割がラクトアルブミンとされています。ガゼインと同じく、乳製品のタンパク質を構成している成分の1つになります。
大規模な調査でも尿酸値改善の効果が確認されている
ラクトアルブミンは乳製品のタンパク質に含まれているため、牛乳などを多く摂取するほど、尿酸値の改善には前向きの効果を発揮します。
実際に全米保健医療統計センターが行った「The Third National Health and Nutrition Examination Survey」という大規模調査でも、牛乳やヨーグルト、チーズを全く摂取していない被験者に比べて、多く摂取した被験者の方が、血清尿酸値が有意に下がったという結果が出ています。同調査において、スキムミルクや低脂肪乳は、尿酸値の改善のみならず、痛風の発症リスクも有意に下げたという結果まで出ています。
乳糖不耐症の人は要注意
ガゼインのページでも述べた通り、乳製品には乳脂肪分が多く含まれています。特に近年の牛乳は濃厚な口当たりを意識して、乳脂肪分の高い商品が多いです。そのような濃厚な牛乳は日常的な水分補給源には適しておらず、飲みすぎるとかえってカロリーの過剰摂取につながる恐れがあります。上述の調査で、スキムミルクや低脂肪乳が痛風の発症リスクも有意に下げたと紹介しましたが、いずれにせよ牛乳を尿酸値の改善目的で飲む場合は、低脂肪乳をチョイスしたいです。
また、乳糖不耐症の人は牛乳などを尿酸値の改善策として生活に取り入れられないデメリットもあります。
さまざまな飲料に
ラクトアルブミンは含まれている
ラクトアルブミンは飲み物で言うと、乳飲料に含まれています。
- 牛乳
- 成分調整乳
- 飲むヨーグルト
などが代表例になります。また、
- 乳酸菌飲料
にもラクトアルブミンが含まれています。
牛乳や成分調整乳はカルシウム、各種ビタミンなどの栄養素の補給も期待できますし、飲むヨーグルト、乳酸菌飲料は善玉菌の摂取も期待できます。
しかし、飲むヨーグルトや乳酸菌飲料の場合は味わいの良さを追求するために、かなりの糖質が含まれている場合がほとんどです。過剰な糖質の摂取は、かえって尿酸値を上げる原因になります。牛乳は先述した通り、脂質(カロリー)の過剰摂取につながる恐れもあります。日常的な水分補給源としては適していないと考えられます。
尿酸を尿に溶かす働きと、
利尿作用を持つ飲み物が理想的
牛乳や成分調整乳に含まれるタンパク質の一種が、尿のpH(水素イオン指数)を7以上のアルカリ性に傾け、尿酸がより多く尿に溶け込むように働きかけてくれると紹介しました。
しかし、残念ながら牛乳自体には利尿作用がありません。もちろん多く飲めば尿量が増え、排尿の回数が増えるとは考えられますが、尿酸を改善するためには1日2リットルの排尿が必要だとも言われています。それだけの尿を排せつするために、多く飲める飲み物とは言い切れない部分があります。
特に血清尿酸値が1dl/8mgなど、治療の必要な状態の一歩手前にまで悪化している人の場合は、尿酸を尿に多く溶かしてくれる成分だけでなく、その尿を多く排せつできるような利尿作用を兼ね備えた飲み物で対策を急ぐ必要があります。
さらに日常的な水分補給源として飲みやすさを考えると、古くから湯治で使われてきた無味無臭の温泉水(炭酸水素塩泉)のような選択肢が理想的だと言えます。関連ページでは尿酸の改善で理想的な飲み物をまとめましたので、併せてチェックしてみてください。