炭酸水素ナトリウムが尿酸値を下げる理由

メインビジュアル1

炭酸水素ナトリウム
溶かした水は
尿酸の排せつを促す

  • 炭酸水素ナトリウムが尿酸値を下げるメカニズムを解説
  • 炭酸水素ナトリウムが入った飲み物と、その飲み物が尿酸値を下げる仕組みを説明
  • 炭酸水素ナトリウムが入った飲み物を摂取したいときに最適な飲料とは

弱アルカリ性を示す炭酸水素ナトリウム
(炭酸水素ナトリウム)水溶液を飲むと、
尿がアルカリ性に傾き、尿酸の排せつが促される

炭酸水素ナトリウムは、いわゆる重曹の呼び名でも知られています。重曹は別名で炭酸水素ナトリウムとも呼ばれていて、炭酸水素ナトリウムを水に溶かすと、水の中でそれぞれ電気を帯びた集団(イオン)に分解され、ナトリウムイオンと炭酸水素イオンに電離します。
電離によって生まれた炭酸水素イオンは、水の中では水(H2O)に含まれる水素イオン(H+)を奪います。もともと中性を示す水が、酸性の働きを持つ水素イオンを奪われると、水は水酸化物イオン(OH-)によってアルカリ性を示すようになります。
弱アルカリ性を示す炭酸水素ナトリウム水溶液は、口に含めば尿をアルカリ性に傾け、尿酸がより多く尿に溶け込むように働きかけてくれます。炭酸水素ナトリウム自体も、制酸剤として医薬の世界で利用されているほど。
炭酸水素ナトリウム(炭酸水素ナトリウム)を水に溶かした炭酸水素ナトリウム水溶液(いわゆる重曹水)を日常的に摂取すると、尿酸の排せつが促され、尿酸値が下がる効果が期待できます。

ナトリウムの過剰摂取に要注意

炭酸水素ナトリウム(重曹)にはナトリウムが含まれているため、ナトリウムの摂取を制限されている人は、摂取のしすぎに注意しなければなりません。
実際に医薬の現場で利用されている炭酸水素ナトリウム(重曹)の禁忌情報を見ると、次の患者には投与すべきではないとして、<ナトリウム摂取制限を必要とする患者 (高ナトリウム血症、浮腫、妊娠高血圧症候群等) 〔ナトリウムの貯留増加により、症状が悪化するおそれがある。〕>(東海製薬株式会社の資料より引用)
とされています。ナトリウムの摂取に制限が出ている人は、事前に医師の相談を受けたいです。

温泉水は炭酸水素ナトリウムが含まれている

炭酸水素ナトリウム(重曹)が含まれた飲料には、どのような飲み物があるのでしょうか? 以下に代表例を挙げます。

  • 温泉水(炭酸水素塩泉)
  • 重曹水

温泉水の一部には、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンで、温泉水自体が弱アルカリ性に傾いている温泉水(炭酸水素塩泉)があります。古くから痛風や高尿酸血症の治療に飲泉が行われてきた理由は、炭酸水素塩泉の効果が認められているからです。通常の場合は清潔な源泉を求めて温泉地まで出向かなければなりませんが、現在は清潔な温泉水がボトリングされた商品もあります。
重曹水に関しては、自分で重曹を水に混ぜて作れる気軽さがあります。ただ、自作の重曹水は味わいが悪かったり、濃度が濃すぎたりと、調整が難しいというデメリットもあります。

自作の重曹水と異なり、
温泉水には利尿作用がある場合も

尿酸値を改善するためには、

  • 尿酸を尿に多く溶かし込む
  • 尿酸の溶けた尿を多く排せつする

といった効果を持つ飲み物を口にする必要があります。その意味で天然の炭酸水素塩泉(温泉水)の場合は、温泉水の中に炭酸水素ナトリウムが含まれており、炭酸水素イオンの働きによって温泉水自体が弱アルカリ性に保たれています。口にし続ければ、尿がアルカリ性に傾き、尿酸がより多く尿に溶け込むと考えられます。
また、自分で作る重曹水と違って、天然の温泉水の中には、利尿作用のあるサルフェートと言われるミネラルの一種が含まれている場合が多いです。尿酸の多く溶けた尿を、さらに多く排せつできる働きも期待できますから、温泉水は尿酸値改善に最適な飲み物だと言えます。

TOP