コーヒーは
排尿を促す飲み物
- コーヒーを習慣的に飲むと尿酸値が下がる仕組みと、尿酸値を下げるコーヒーの成分について
- 尿酸値を下げると言われるコーヒーを飲むメリットとデメリットとは何か?
- コーヒーを習慣的に口にするだけでなく、一緒に始めたい食習慣や飲料習慣とは
コーヒーに含まれるカフェインが鍵
尿酸値を下げるとして正式に働きが認められている飲み物は、幾つか存在します。例えば炭酸水素塩泉の泉質を持つ温泉水や牛乳、クエン酸入りの飲料などが挙げられますが、コーヒーも尿酸値を下げる働きが知られています。
実際にコーヒーを飲んだ被験者ほど痛風の発症リスクが有意に下がったという実験データもあり、コーヒーを1日に0杯飲む人よりも、コーヒーを1日に6杯以上飲んだ被験者の方が、痛風発症の相対危険度が半分以下に下がったとされています。
コーヒーのどういった成分が尿酸値を下げるのか、その点については分かっていないそうですが、コーヒーにはカフェインが含まれています。カフェインには利尿作用があり、排尿の回数を増やす効果があります。排尿によって尿酸が多く排せつされ、尿酸値が下がるという効果も期待できます。
その意味でコーヒーは、尿酸を尿に多く溶かし込む「溶解」の効果がある飲み物として可能性が指摘されている上に、カフェインによる利尿作用によって、「排せつ」を促す飲み物としても分類ができると言えます。
飲みすぎはNG!?コーヒーのカフェインには要注意
排尿を促し、多くの尿酸を排せつさせるコーヒーの特長は、他にもあります。例えば、
-
Merit
メリット
- 気軽に手に入る
- 味覚や風味に優れている
といった点は見逃せません。コーヒーは安く、気軽に手に入りますし、味覚にも優れています。とても飲みやすい、口にする機会の多い飲み物だと言えますから、尿酸値を下げる対策としては続けやすいというメリットがあります。
しかし一方で、デメリットもあります。 -
Demerit
デメリット
- 多く口にし過ぎると、カフェインのマイナスの影響が出る
- コーヒーに砂糖を入れすぎると、尿酸値が上がる場合もある
といった点も見逃せません。砂糖の取りすぎは尿酸値を上げる要因として知られています。ブラックコーヒーがどうしても苦手な場合は、砂糖ではなく、たっぷりと牛乳を入れた無糖のカフェオレとして口にすると、飲みやすさが増します。牛乳にはガゼインやラクトアルブミンなどタンパク質の一種が含まれていて、それらの成分が尿酸値を下げるとも知られています。一石二鳥になりますので、無糖のカフェオレとして楽しんでみてください。ミルクの脂質が気になる場合は、低脂肪乳を利用したいです。
コーヒーだけじゃ駄目!?
尿酸を尿に溶かし込む
食べものも口にする
コーヒーに含まれるどの成分が、尿酸値を下げるのかについては、はっきりと分かっていません。むしろ確実な要因として、カフェインの利尿作用が排尿の回数を増やしてくれると考えられます。コーヒーを飲めば利尿作用が働き、排尿が増えるのですから、コーヒーを習慣的に口にするだけでなく、尿酸を尿に多く溶かし込んでくれる飲食物の摂取も一緒に始めたいです。
尿酸をより多く尿に溶かし込むためには、尿のpH(水素イオン指数)を7以上、つまりアルカリ性にする必要があります。尿の水素イオン濃度が高まり、アルカリ性に傾くと、尿酸がより尿に溶け込みやすくなるからですね。
尿をアルカリ性に傾けるためには、アルカリ性の食品を食べるといいと知られています。アルカリ性の食品として代表的な食べ物は、
- 野菜
- キノコ類
- 海藻
が知られています。普段の食事から、積極的にこの手の食品を口にして、尿をアルカリ性の状態で維持する工夫をしたいです。
他には、
- 乳製品
が尿酸を尿に多く溶かし込むと知られています。ブレイクタイムのコーヒーにはミルクをたっぷりと入れて、尿酸をより多く尿に溶かし込むような工夫は、理に適った方法だと言えます。
コーヒーと一緒に飲みたい飲み物とは
コーヒーは尿酸値を下げる働きがあると紹介しました。しかし、習慣的に飲みすぎると、カフェインの影響で中毒症状が出る恐れもあります。日本では公的な基準が出ていませんが、諸外国ではカフェイン摂取の上限量が定められており、その数値に従うと、マグカップ3杯ほどのコーヒーで1日の上限量に達してしまいます。
そう考えると量が飲めませんので、コーヒーはあくまでもブレイクタイムの飲み物として摂取するにとどめて、メインの水分補給源を別に求めたいです。
例えば普段の水分補給源として、尿をアルカリ性に傾け、尿酸をより多く尿に溶かし込んでくれる温泉水(炭酸水素塩泉)を口にする手もあります。ブレイクタイムでコーヒー、普段の水代わりに温泉水を飲むようにすると、利尿作用が高まる上に、尿酸がより多く尿に溶け込み、尿酸値の改善に前向きなサポートをしてくれるはずです。