

温泉水は
尿酸を尿に溶かし込む飲み物
温泉水が尿酸値を下げる仕組みと、尿酸値を下げる成分、さらには排尿の回数を増やす仕組みについて
温泉水で尿酸値を下げるメリットとデメリットを解説
習慣的に温泉水を口にするだけでなく、一緒に口にしたい尿酸値を下げる食べ物、飲み物とは
温泉水は尿酸の溶解と排せつをサポート!
尿酸値を下げる飲み物として、幾つかの飲料が知られています。牛乳やクエン酸入りの飲み物、青汁などさまざまですが、その中で尿酸値を下げる飲み物として理想的な飲料1つが、温泉水になります。
尿酸値を飲み物で下げるためには、
- 尿酸をより多く尿に溶かし込む成分
- 排尿の回数を増やす働き
の両方が必要になります。
温泉水、中でも炭酸水素塩泉の場合は、医学的な根拠の下で環境省もその効能を認めているように、飲泉すれば尿がアルカリ性に傾き、尿酸が尿中により多く溶け込むように促してくれます。炭酸水素塩泉に含まれた炭酸水素ナトリウムは、クエン酸と併せて制酸薬として医療の現場でも利用されています。
炭酸水素塩泉には利尿作用を高めるような成分が含まれていないのですが、味わいにくせがなく、水代わりに普段から摂取ができるため、量を多く摂取しやすいです。そのため、単純に摂取する水分量が増え、尿量が増し、排尿のペースが上がると考えられます。
そもそも十分な水分補給は、何の飲料であれ尿酸値の改善にプラスの効果をもたらしてくれると知られています。普段の水分摂取の一環で温泉水を口にすれば、Wの効果で尿酸値が改善していくと考えられます。
温泉水は市販されているため
手軽に手に入る
一部の泉質(炭酸水素塩泉)の温泉水が尿酸値を改善し、高尿酸血症や痛風の予防・改善に効果を持つと言われても、「温泉地まで飲みに行かなければならないのでしょ?」と、面倒に感じる人も居るかもしれません。しかし、現在は源泉から清潔な状態で温泉水をボトリングした市販の商品も販売されています。その意味では入手のしやすさもあり、わざわざ温泉地まで出向く必要はありません。
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Merit
メリット
- 尿をアルカリ性に傾け、尿酸が尿に溶け込むようにサポートしてくれる
- くせのない味わいのため、量を摂取できる上に、排尿の量が増える。
- 温泉地に出向かなくても、市販の商品が存在する。
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Demerit
デメリット
しかし、もちろんデメリットも存在します。温泉水を源泉からボトリングした商品は、水道水と比べて購入時に高いコストが発生します。商品によって値段は異なりますが、一般的に単純な水分補給源として利用するには、水道水よりも割高になります。
利尿作用のあるコーヒーを
ブレイクタイムに入れる
温泉水には尿をアルカリ性に傾ける働きがあると言いました。食べ物でも尿をアルカリ性に傾ける食品はあります。例えば野菜、キノコ類、海藻などが筆頭に挙げられますので、温泉水を飲むだけでなく、日常的にこの手の食品を口にして、尿のpH(水素イオン指数)を7以上の弱アルカリ性に保つような努力を行いたいです。
また、温泉水自体には利尿作用がありませんので、利尿作用を高めるカフェイン入りの飲料をブレイクタイムに飲むなど、組み合わせの工夫も行いたいです。
カフェインの含まれた飲料の代表例は、紅茶やコーヒー、緑茶になります。ただ、この手の飲料は、飲みすぎるとカフェイン中毒のリスクも高まりますし、コーヒーの場合はシュウ酸の過剰摂取につながります。シュウ酸を摂取しすぎると尿路結石のリスクになるとも知られています。よって普段の水分摂取に温泉水を、利尿作用を高めるためにブレイクタイムにコーヒーを飲むといった合わせ技が効果的だと考えられます。
温泉水をベースに、他の対策を組み合わせる!
尿酸値を改善するためには、尿の中に尿酸を多く溶かし込む成分を摂取し、さらに排尿の回数を増やす工夫が必要になります。そのベースの対策として、温泉水の飲泉は最も適した対策の1つだと紹介してきました。
飲酒などの習慣が辞められない人であっても、温泉水を飲酒時のチェイサーにするといった手が考えられます。注文するメニューで野菜やキノコ類、海藻類を積極的に注文する、同じく尿酸値を下げると知られるチーズなどの乳製品を積極的に口にするなど、幾つもの対策を組み合わせれば、飲酒や食事による高プリン体の摂取の悪影響を最小限にとどめられるかもしれません。
日常的な水分補給にも温泉水を活用しつつ、さまざまな飲食物を並行して口にして尿酸値の悪化を食い止め、尿酸値の改善に取り組みたいです。