トマトジュースの尿酸値を下げる成分とそのメカニズム

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トマトジュース
尿酸を尿に溶かす飲み物

  • トマトジュースが尿酸値を下げる仕組み、およびトマトジュースに含まれたビタミンCが尿酸値を下げる仕組みについて
  • トマトジュースで尿酸値を下げるメリットとデメリット、および注意点を解説
  • 習慣的にトマトジュースを口にするだけでなく、一緒に口にしたい、尿酸値を下げる飲み物や食べ物とは?

トマトジュースのビタミンCが
尿酸値の改善のカギ

トマトジュースは尿酸値の改善に効果的だと知られています。その理由はトマトジュースの原材料であるトマトに多く含まれたビタミンCが影響しています。
キャベツ、トマト、キュウリ、ジャガイモ、サツマイモなどさまざまな食品に含まれるビタミンCは、多く摂取すると腎臓で尿に尿酸が多く溶け込むようになると知られています。尿酸が尿に多く溶け込めば、その分だけ尿酸値の改善に役立ちます。高尿酸血症の治療において、ビタミンCは積極的に摂取したい栄養素だと分かります。
しかし、野菜に多く含まれると言っても、なかなか野菜を口にしない人も多いと思います。ビタミンCは口当たりのいい果物にも含まれていますが、果物には果糖が多く含まれており、果糖も尿酸値を上げてしまいますので、食べ過ぎには注意が必要です。
その点、トマトジュースは飲み物のため、積極的に口にしやすいというメリットがあります。外出先のコンビニエンスストアなどでも気軽に購入できるため、ところかまわず、思い立ったときに口にできる便利さもあります。尿酸値改善の対策は、2年など時間をかけて取り組まなければなりません。続けやすいかどうかは、とても重要な要素になってきます。

濃縮還元のトマトジュースには注意

トマトジュースのメリットをまとめると、

  • Merit

    メリット

    • 尿酸値が尿に多く溶け込むようにサポートするビタミンCが多く含まれている
    • 飲み物のため続けやすい
    • どこでも手に入る
    • 水分補給にもなる

    といった点が挙げられます。尿酸値の改善において、水分補給はとても重要です。その意味で水分補給源になるトマトジュースは、効率的な対策だと考えられます。
    しかしデメリットも存在していて、

  • Demerit

    デメリット

    • 独特の酸味や味わいが苦手な人には続かない
    • 商品によっては糖質や食塩が加えられているため量を考えたい
    • トマトジュースによってはビタミンCが壊れている可能性もある

    といった点にも注意したいです。トマトジュースが苦手な人はそもそも続きませんし、糖質や食塩が加えられたトマトジュースは、飲みすぎに注意しなければいけません。トマトに含まれるビタミンCは熱に弱いという弱点もあります。トマトジュースを作る過程で濃縮還元をしていると、作業の工程で熱が加わっていますので、ビタミンCが大幅に失われている可能性があります。
    トマトジュースを選ぶときは、食塩や糖質を加えておらず、濃縮還元をしていないストレートタイプの商品を選び、可能な限り天然のビタミンCを豊富に摂取できるドリンクを口にしたいです。

野菜の摂取も意識的に!

トマトジュースに含まれるビタミンCが尿酸を尿により多く溶かし込むと紹介しました。しかしそのビタミンCは熱に弱く、壊れやすいため、できるだけ加熱調理をしていない、生の状態で摂取したいです。やはり野菜は、生のままで食べたいです。
野菜はアルカリ性の食べ物で、アルカリ性の食べ物を食べると、尿のpH(水素イオン指数)が7以上の弱アルカリ性に傾くと知られています。尿がアルカリ性に傾くと、尿酸がより尿に多く溶け込みやすくなります。野菜は尿酸値改善に役立つ代表的な食べ物ですから、普段から冷やしトマトなど、トマトを生の状態で摂取する努力も忘れたくありません。 野菜以外で言えば、

  • キノコ類
  • 海藻類

についても、尿をアルカリ性に傾ける食べ物として知られています。野菜を含めてこの手の食品は食物繊維が豊富で、食べすぎ、飲みすぎを予防してくれる働きもあります。食べすぎ、飲みすぎを予防できれば、尿酸の元であるプリン体の余分な摂取も控えられますし、余分なカロリーも摂取せずに済みます。尿酸値の改善にさまざまなメリットがありますので、トマトジュースの摂取にプラスして、野菜、海藻、キノコ類を口にするように努力したいです。

コップ2杯の水をプラスする

最終的に尿酸値を改善するためには、尿酸をより多く尿に溶かし込み、さらに尿を多く排せつする必要があります。
トマトジュースに含まれるビタミンCの働きで、飲めば尿酸がより多く尿に溶け込みやすくなるのですが、トマトジュース自体には利尿作用を高めるような成分が含まれていません。多く飲めば排尿の回数が増えると考えられますが、トマトジュースには味わいの調整のために、糖質や塩が加えられている場合が少なくありません。過剰に摂取すると、余計な成分まで取り込む形になってしまいます。どうしても量を制限する必要がでてきますので、トマトジュースを1日1杯など習慣的に飲む一方で、排尿の回数を増やす努力も並行して行いたいです。
排尿の回数を増やすための水分補給としては、単純に水道水の摂取でも構いません。厚生労働省によれば、日本人は1日コップ2杯の水が習慣的に不足していると言いますから、コップ2杯の水を意識的に飲むだけでも結果は違ってきます。 さらに効果を狙うならば、コップ2杯の温泉水を飲むという対策も考えられます。温泉水(炭酸水素塩泉)を口にすれば、尿がアルカリ性に傾いて、尿酸がより尿に溶け込むようになります。十分な水分摂取により排尿の回数が増える可能性が高いですので、トマトジュースとともに日常的な水分補給を意識したいです。

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