

おでんは
痛風に優しい鍋料理!
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おでんの具材に含まれる栄養素と、その栄養素がもたらす尿酸値への影響について
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練り物、卵、こんにゃく、大根などが具材のおでんと同じくらい痛風に優しい鍋料理とは
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おでんを食べるだけでなく、一緒に始めたい尿酸値を下げる習慣とは
おでんの具材は尿酸値を上げにくい優等生!
冬になるとお酒と鍋を口にしたくなりますよね。ただ、鍋にはさまざまな具材が使われていますから、プリン体が気になります。例えばもつ鍋やあんこう鍋は、プリン体の塊ともいえる内臓がふんだんに入っていますし、ちゃんこ鍋なども肉や魚介類が豊富に入っているため、プリン体を多く摂取してしまいがち・・・。ちょっと怖いですよね。その意味でプリン体の少ない優等生のような鍋料理は、おでんになります。おでんの主要な具材は、
- 大根
- こんにゃく
- 練り物
- 卵
- ソーセージ
など。上述した具材は、どれもプリン体が少なく、例えば『家庭医学館』(小学館)を見ると、ウインナーソーゼージ30g(1食)に含まれるプリン体の量は、わずかに5.9mgとされています。あん肝(50g)に含まれるプリン体の量は199.6mgですから、その違いがよく分かります。卵も一見するとプリン体が多いイメージがありますが、1つの細胞でできているため、プリン体が少ないという特徴があります。
おでんに含まれる各種の具材の栄養素が尿酸値を下げてくれるという話ではありません。ただ、おでんに含まれる具材はプリン体が少ないため、他と比べて尿酸値を上げにくい鍋料理という意味で、優等生なのですね。
プリン体の少ない鍋料理は他にもある!
おでんはプリン体の少ない具材がメインのため、食べても尿酸値をあまり上げないという話をしました。逆にあんこう鍋、もつ鍋などは、プリン体が多く含まれた食材が使われているとも紹介しましたが、おでんのようにプリン体の少ない具材の鍋は、他に挙げると何になるのでしょうか。
例えば、
- 湯豆腐
- しゃぶしゃぶ野菜鍋
など。湯豆腐の主な具材は豆腐で、豆腐は植物性タンパク質を摂取できる上に、プリン体が少ない優れた食品の代表例です。
野菜由来のプリン体は痛風に影響しないとも分かっていますので、ふんだんに野菜を食べられる野菜鍋、しゃぶしゃぶ野菜鍋なども理想的な鍋料理になります。
鍋には昆布で出しを取り、野菜、キノコ、海藻をたっぷりと入れて、楽しみたいです。野菜やキノコ、海藻は尿をアルカリ性に傾けて、腎臓から尿酸を排せつしやすくする働きが知られていますので、理想的な鍋料理だといえます。
おでんと一緒に始めたい痛風対策は?
鍋料理の中にはプリン体を多く含まず、尿酸値を上げない鍋があると紹介しました。しかし、その他の食事でたくさんのプリン体を口にしてしまう可能性は十分にありますし、お酒をたくさん飲み過ぎて、結果として鍋の努力が水の泡と化してしまう恐れはあります。
その意味では、日常的にさまざまな角度から高尿酸血症、痛風の予防、改善に効く対策を行いたいです。
例えば乳製品を1日1品口にすると尿酸値の改善には前向きな働きがあると知られていますし、十分な水分補給は尿酸値を下げ、尿路結石を予防すると分かっています。また、昔から認められているように、一部の泉質を持つ温泉水の飲泉は、高尿酸血症と痛風を予防・改善すると分かっています。環境省によれば、炭酸水素塩泉の温泉水は、入浴ではなく飲泉で効果があるとされていますので、清潔な温泉水がボトリングされた市販の商品を常備ストックしておいて、日常的な水分補給で温泉水を飲みたいです。炭酸水素塩泉の温泉水を飲むと、尿がアルカリ性に傾き、尿酸が溶け出しやすく、排せつされやすくなるという効果が認められています。
その他、ビタミンCを多く含んだ生野菜を食べる、クエン酸を取るといった対策も有効です。